よく噛んで食べていますか?
あなたは普段から食べ物をよく噛めていますか?
何をもって「噛めている」というのか?という問題はありますが、例えば「普段から早食いで、ロクに噛まずに飲み込んでいる」など、思い返して自覚していることがあれば、そんな感じで考えてみてください。NHK「あさイチ」の番組が事前に行ったWebアンケートでは、
・理想的に噛めている :7.3%
・それなりに噛めている:38.0%
・あまり自信がない :42.5%
・全く自信がない :12.2%
※「あさイチ」アンケート
という結果になっており、半数以上の人が「噛むことに自信がない」と答えています。つまり裏を返せば、多くの人が「噛むこと」をあまり意識しない生活をしていることになります。
確かに子供の頃は学校で、「牛乳は噛んで飲みなさい」などと言われましたが、液体を噛むなんて無理ですから、先生の話を聞いたふりして知らんふりした覚えがあります。
ただ専門家によれば噛むことで、
・噛むことで唾液中の免疫物質IgAが増加するという研究もあり、
5分間ガムを噛むと普段の2.5倍のIgAが分泌されます
・目の血流が促進され、目の疲れや乾きを感じにくくなる
・頭皮の血流が50%増加することで薄毛対策になったり
・頭頂部の毛髪の太さが10%UPしたという報告もあるそうです
また、女性56人に1日3回8週間ガムを噛み続けてもらったら、食事の時に頻繁に噛むことで、フェイスラインがUPして顔がほっそりとしたという研究もあります。顎から頬にかけてのラインが、噛む前には平均して57.6°だったものが、噛んだ後では64.7°になって、顎のラインがシュッとした顔立ちになったといいます。

ほうれい線ができる仕組みと予防法
加齢による「ほうれい線」は男女を問わず悩ましいものですが、つまりは顔の表情筋をあまり使わないことで筋肉が衰えて、顔の肉や皮が弛んで下に垂れ下がってくることが原因です。最近まで、コロナ禍でマスクをする機会が増えて顔を隠していることが多かったため、人前でも笑顔を作ったりする機会が減ったので、最近では多くの人でほうれい線が目立つようになっているといいます。
これを予防したり改善するには、表情筋を鍛える(というと大袈裟ですが)、少しでも表情筋を動かすことで衰えた筋肉を刺激することが大切です。表情筋を動かすには「噛む」動きが効果的で、
ガムを使ったトレーニング「噛むトレ」は皮膚のたるみの予防にも効果があります。深くなったほうれい線を改善するには表情筋を動かさなければいけませんが、これには「ガム」を使った簡単トレーニングを始めましょう。これ以上ほうれい線を進行させないために、
- 椅子や座布団に姿勢良く座って、ガムを柔らかくなるまで噛みます(だらっとした姿勢では”噛むこと”に意識が向かないので意味がありません)
- 側頭筋(頭の横)や咬筋(口の横)を大きく動かすように1分くらい奥歯で噛む
- 犬歯のあたりにガムを置いて、口を閉じながら左右で10回ずつ噛む
- 口を閉じたまま前歯で10回噛む

ことを1日2回くらいやるといいでしょう。目安としては1回が、
・奥歯で左右10回ずつ
・犬歯で左右10回ずつ
・前歯で10回の合計50回くらいです
その日の口にほうれい線が取れるといった即効性はありませんが、1日1〜2セットを2〜3ヶ月続けることで、次第に表情筋が鍛えられてほうれい線が目立たなくなってきます。
大切なのは、”ながら”はダメです。噛むことに集中してやることです。
どれくらい、どうやって噛めばいいの?
でもわざわざトレーニングをするのは面倒くさいですよね。噛む動きなら毎日の食事の時にやれれば一番いいよね、とは誰もが考えます。でも、「食べる時には一口で60回は噛め」なんて言われても、数を数えながらでは食事も楽しめませんし、顎がダルくなってしまうのが関の山です。
これも日本咀嚼学会の先生によれば、回数にこだわる必要はないといいます。それは食べ方にコツがあって、一回に口に運ぶご飯の量をおかずに対して少なくする方法です。一口で噛む回数は、ご飯の量が多くても少なくてもほとんど変わらないそうです。
ですから同じ量の食事でも、一口の量を減らして食べる回数を増やせば、噛む回数は簡単に2倍になります。その時に前歯、犬歯、奥歯を意識してよく噛んで食べれば一石二鳥というわけです。また噛む回数が増えれば唾液もたくさん分泌されるので、同じ量のご飯でも満腹感が得られるというわけです。ダイエットにも効果がありそうですね。
また一口を頬張りすぎると早く飲み込んでしまいます。よく噛まないで飲み込んでしまうと胃腸の負担も大きく、健康を害する原因にもなりかねません。
また、ちゃんと味わって食べることも大切です。街中のレストランや食堂で誰かが食事するのをみていると、例外なくスマホを見ながら食べています。これが美容にも健康にも一番悪いといいます。
食事を美味しく楽しんで食べることをまず考えれば、唾液や消化液もたくさん分泌されるのでしょうかも良く、便秘の改善にもつながるというわけです。
自宅で調理する時には、食材の切り方も工夫しましょう。にんじんなどは輪切りではなく太めの千切りにすると繊維を断ち切らなければならないので噛む回数も増えます。椎茸やしめじは手で千切って使うのもいいでしょう。
調理方法も、「煮る」よりも「炒める」方が噛む回数を増やすには効果的です。よくグルメ番組で、「柔らか〜い、歯がいらな〜い」などといっている芸人やタレントさんを見かけますが、そんな生活を続けていたらやがて老け込んで健康を害してしまうでしょう。
普段の何気ない生活が大事なのです。お弁当のご飯にも海苔やおぼろ昆布を挟むと、ご飯にまとわりつくので噛み切る回数が増えます。
まとめ
噛む回数だけを増やそうと日常生活で無理をしてトレーニングをしようとしても、往々にして長続きしません。普段の生活の中で工夫してうまく取り入れることでほうれい線は薄くなり、髪もフサフサになり、ガムをかみながらウォーキングやジョギングをすることで脂肪消費量が13.6%もUPすることがわかってきました。
また「噛む」ことに関連してペチャペチャ、クチャクチャという「咀嚼音」が気になるという方もいらっしゃるでしょう。咀嚼音を改善するには、1.奥歯で噛む(顎を回転させて噛んで口を開かないようにする)ことを意識されるといいでしょう。前歯で噛むと口が開きやすいので、咀嚼音も外に漏れやすくなります。
「よく噛む」ことを生活の中に取り入れて、誰もが美しく健康な毎日を送れますように…。
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