沖縄から西日本の九州、四国、中国、近畿、東海地方が梅雨入りしました。今年は平年より1週間ほど早く梅雨入りするところが多いので、まもなく北陸や関東地方からも梅雨入りの便りが届くのではないでしょうか?
洗濯物を部屋干ししないといけない季節がやってきます
天気の悪い日が多くなって洗濯物を外干しできない日も増えてきます。「平日の昼間は仕事に行っているのでうちはいつだって部屋干しだよ」という方も多いと思いますが、そんな時に気になるのはジメっとした洗濯物の仕上がりと、なんといっても気になるのが嫌な「生乾き臭」ではないでしょうか?
洗濯洗剤などのテレビCMなどを見ていると除菌・抗菌・殺菌・消臭などのキャッチフレーズで各社からたくさんの洗剤が紹介されていますが、どれを使ってもあんまり効果がなかったよと諦め半分の方もいらっしゃるかと思います。
これらの宣伝でも”しつこい”ほど言われているのは「雑菌の繁殖」による悪臭の発生です。つまり雑菌の繁殖さえ抑えられればイヤな悪臭の原因は抑えられるはずです。もちろん晴天のもと直射日光とそよ風で乾かせればそれが一番ですが、そうもいかない事情を抱えた方のために今日は部屋干しでも生乾き臭を抑えられる方法をご紹介します。
生乾きの臭いの原因ってなに?
これは各社のCMでも言われているように「生乾きの状態で雑菌が繁殖する」ことであるのは間違いありません。もっとも”雑菌”というくらいですから私たちの生活の中にはどこにでもいる細菌たちでこれを完全に防ぐことはできません。
最近の研究では「モラクセラ菌」という細菌が増殖する時に出す”排泄物”が原因の一つと言われています。この菌は洗濯物に残っている皮脂や水分を栄養にして繁殖するので、洗濯物に汚れが残っていたり乾くまでに時間がかかってしまったりすると菌が繁殖しやすい条件が揃ってしまい、あのイヤな臭いが発生してしまうわけです。
しかしそれは除菌・抗菌・殺菌などと謳っている洗剤をどれだけ使おうとも完全に防ぐことはできません。だって”殺菌”というからには生き物を殺す力を持っているわけで、強力な殺菌力は人間にとっても悪い影響を与えかねないからです。
ましてや家庭で普段使いするとなれば「間違って口に入れた」時に即座に死んでしまうようでは危なくて使えないですから、濃度を薄めたり弱毒化することで最悪でも人間が死んでしまったりすることのないように法律でも規制されているわけです。
ですから市販の洗剤だけで雑菌の繁殖を完全に抑えるのは無理なのです。そこでこれらの洗剤の力を借りつつも私たちも工夫することで少しでも雑菌の繁殖を抑えることが必要になるわけです。
だからこそ昔から、風が適度に当たる屋外に外干しして直射日光の力を借りて殺菌するという自然な方法が行われてきました。しかし今では春先に限らず季節ごとに種類の変わる花粉症などを嫌って部屋干しする家庭も増えたためにますますあのニオイに悩まされることになっているわけです。
雑菌との戦いは洗濯機を使う前から始まっている
たぶんほとんどの人は「ちゃんと洗濯して干したよ」とおっしゃるに違いありません。そもそも家庭での選択の基本は、
①洗濯物を仕分けする
②洗濯機に放り込む
③市販の洗剤を使って洗濯機を回す
④脱水して干す
という工程で人の知恵が介在する余地はほとんどありません。
もちろん洗濯機メーカーによって多少の機能の差はあるでしょうがそのほとんどは、「洗剤や柔軟剤の自動投入機能」であったり「静音機能」「タイマー機能」のような便利機能です。
洗濯槽を回転させて洗う、脱水機や洗濯槽を回転させて脱水機能で水分を飛ばすという基本は半世紀前からほとんど変わっていません。変わったのは「自動化」の部分だけです。
ただいまだに「あーめんどくさい」と言われる
洗濯物を取り出して干す
乾いた洗濯物を畳む
といった作業には多少なりとも工夫の余地は残っています。普通の家庭用洗濯機などでは「干す」「畳む」作業はやってくれません。
だからといって「面倒臭いから洗濯は週末だけ」といって洗濯カゴや洗濯槽の中に汚れ物をポイポイと放り込んで長時間保位置してはいないでしょうか?
しかも濡れたものと乾いたものを一緒くたにしていませんか?
それでは洗濯前からジメッとした洗濯物で雑菌を培養しているようなものです。
少なくとも濡れたものと乾いたものは面倒でも別のカゴに分けて、濡れたものは特に早めに洗っておくのが基本です。
濡れたものは一般に少量であることが多いのでそれだけは入浴のついでに手洗いでも洗って干したほうがいいでしょう。
また洗濯槽を洗濯カゴの代わりに使うのもよくありません。
最近はテレビCMでもやっていますが、洗濯後の洗濯槽の裏側は特に乾きにくい場所です。
洗濯槽と本体の間には安全にためにほとんど隙間がありません。洗濯槽に残った水分が蒸発しにくいわけです。
洗濯槽の裏側や排水管の中に残った水分で大繁殖した雑菌が洗濯物には膨大なモラクセラ菌を洗濯物に移してしまう結果になります。

最近は「洗濯槽乾燥」という機能のある洗濯機もありますからそんな機能があればぜひお使いになることをお勧めします。洗濯槽の乾燥は洗濯後にボタンをポンと押すだけですから面倒臭いことはありません。
また気になる人は「洗濯槽洗剤」をお使いになるのもいいでしょう。もちろん洗濯槽を洗った後には洗濯槽を乾燥させるのもお忘れなく。
洗濯物の生乾き臭は洗って5時間以内が勝負!?
洗濯物に生乾き臭を発生させないために最も重要なのは、「洗濯が終わってから乾くまでの時間」です。
なぜならモラクセラ菌は5時間経った頃から爆発的に増殖するため、5時間以内に乾かすことができれば生乾き臭をある程度抑えることができます。
でも前述したように雨の日や梅雨の時期はどうしても部屋干しが多くなるので乾くまでに時間がかかってしまいます。そこで肝心なのが部屋干しのコツです。
まずは風通しのいい場所に干すことが重要です。
「直射日光がないと乾かない」と思っている方も多いと思いますが、もちろん直射日光は大切です。
しかしそれと並んで重要なのは風通しです。炎天下であっても無風の状態なのか少しでも風が吹いているかで乾き方は大きく変わります。
これは洗濯物に限らず野菜や梅干しなどを屋外に干した時でも同じです。

マンションやアパートなどの室内では少しでも明るいところがいいと思ってカーテンレールに干している人も多いと思いますが、窓際は特に湿気がたまりやすい上に雑菌も多いためもっとも良くない場所です。
できればできる限り部屋の中央などの周囲に空間のある場所に干しましょう。
洗濯物干しを使う時にもできるだけ洗濯物同士の間隔を広げて風通しを良くしておくことが肝心です。
在宅しているなら洗濯物の下方から弱く扇風機で風を当てるのも効果があります。エアコンの風を当てるのも効果がありそうですが扇風機の風と大差ありません。
また雨が降っているとつい窓を閉めてしまいがちですが、かえって室内の湿度が上がってしまい逆に乾きにくくなってしまいます。
少しでも窓を開けて適度に換気するのがお勧めです。エアコンの除湿機能でも構いませんが薄寒いようなら除湿機を使うのも一つの手です。
少しでも乾いた風を洗濯物に当てられるので扇風機で風を当てるのよりも効果的です。ただ思ったよりも除湿機内に水が溜まるので適度に捨てましょう。

今日からできる、洗濯物をすばやく乾かす干し方
洗濯物は干し方によっても乾き方が大きく変わってきます。
よく言われている事ですが、物干しハンガーに洗濯物を吊るす時は長い物を一番外側に、短い物を真ん中に干す「アーチ干し」がおすすめです。
洗濯物の中央付近まで空気が流れやすくなって湿気がたまりにくいので比較的早く乾かすことができます。
また、長袖のシャツをハンガーに干す時は、袖の部分だけを別のハンガーにかける「おばけ干し」にすれば、水分が溜まって乾きにくい袖や脇の部分も、しっかり乾かすことができます。
また乾きにくいものは脱水後に軽くアイロンがけしてから干すことで熱に弱いモラクセラ菌を殺菌しながら乾かせるので効果的です。
西洋では下着や靴下まで何にでもアイロンをかける風習がありますが、これはかつてヨーロッパでは中世にペストが流行して大きな被害があったことから、あらゆるものにアイロンをかけて殺菌するのが風習になったとも言われています。
ボクもかつてハワイのホテルでGパンをランドリーに出したらキッチリとアイロン跡の残ったGパンが返ってきて驚いた経験があります。

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