いきなり騒がれるようになった「プログラミング教育」
文部科学省が2020年度から小学校の学習指導要領に導入している「プログラミング教育」っていうものが具体的になにを指すのかは、実はよくわかっていません。
でも10代からコンピュータのプログラミングを始めて40年以上もシステム開発に携わってきたのに、小学校でやっているプログラミングが”よくわからない”というのもちょっと癪なので軽くネットで調べてみることにしました。
簡単にいえば、これからの社会は(というか随分前から)コンピュータなしでは日常生活も成り立たなくなっているのに、コンピュータというものが”ブラックボックス化”していると同時に、ほとんど意識せずに生活に溶け込んできています。
家庭の中でもゲーム機やスマホ、パソコンはもちろんですがテレビや洗濯機、冷蔵庫、炊飯器、電灯、温水器といったものまでコンピュータなしでは動きませんし、今の自動車などはコンピュータの塊です。
どれも「スイッチ・ポン」で”使う”ことはできても、「どうして動くのか?」を意識することはほとんどありません。
これからも更にコンピュータによる”自動化”が進んでいくのに、なんで動くのかも「わかんな〜い」ではマズいことになるんじゃないか、ということで世間知らずの官僚や政治家も動き始めた、ってことらしいです。もっともその裏には数多の”利権”が絡んでいるんでしょうけどね(苦笑)
プログラミングとは段取りを決めることから
システム開発の世界でプログラミングといえば、プログラム設計やプログラムのコーディングを指すのですが、ここでいう「プログラミング教育」では末端でプログラムを書かせるようなことは考えておらず、「コンピュータはプログラムで動いている」ということを理解させることが主眼のようです。
つまり世の中の大半の人は大人も含めて”そんなこと”も知らないというか考えたこともないんです。教える先生も考えたことすらないことを生徒に教えるんですから、それは大変なことですね。
これがどんな成果を生むのかわかりませんが、将来的にはもうちょっと”モノを考えられるオトナ」が増えるといいですね。
さて以前、このコラムで「ボクは最近YouTubeの動画をよく見る」ということを書きました。くだらないものから仕事関係まで玉石混交の動画ワールドの中で先日面白いものを見つけました。
スマホのiPhoneに最近勝手にインストールされた「ショートカット」というアプリです。
ボクはiPhone3Gの時からずっとiPhoneを使い続けてきた(一時はAndroidと2台持ちをしてた)のですが、普段の生活の中で使っていると「使わない機能」や「知らないアプリ」なんていうのが山のように出てきます。
この「ショートカット」というアプリも、「なんじゃこりゃ?」と思っただけでよく見もせず調べもしないままにすぐアンインストールしてしまいました。
YouTube動画に教わりました
ところがYouTube動画の中で「ショートカットの使い方」みたいなものがあったので軽く調べるつもりで見てみたわけです。
これはその名の通り、Microsoft Officeの”マクロ機能”のように、プログラムを立ち上げたりメニューから選択肢を選んだりパラメーターを入力したりといういくつかの作業をJCL(ジョブコントロール・ランゲージ)のように制御してくれるアプリでした。
例えばドライブに出かけた時に「近くにコンビニはないかなぁ?」と思ったらスマホでGoogleMapを開いて検索欄に「コンビニ」と入力して探したりしますよね?
でも急いでいる時にいちいち入力するのって面倒じゃないですか?
そんな時に「ショートカット」をタップすると(普通にアプリを起動するのと一緒です)、いきなり「何をお探しですか?」のようなメニューが現れるので、「コンビニ」を選ぶとGoogleMapが開いて近くのコンビニを表示してくれるような感じです。
もちろん自分の設定次第でレストランやガソリンスタンドなんかをメニューに載せることもできます。これがタダで使えるんですから便利になったもんです。iOS15以降で使えるそうです。
これをiPhoneに設定する時には「ショートカット」の設定画面を開いて、
1.メニューを作って開く
2.設定項目は”コンビニ”、”レストラン”、”ガソリンスタンド”、”道の駅”
3.GoogleMapを開いて”検索窓”にメニューで選んだ文字を入力する
4.検索キーを押す
というような内容を登録しておけばいいのですが、それぞれのタスクが「プログラム教育」でいうジョブのようになっていて、それぞれの命令(コマンド)プログラムを組み合わせて設定すればいいようになっているので、個別にプログラム言語などを記述する必要はありません。
どちらかというとそれぞれのプログラマーに必要なプログラムを書かせてそれを組み合わせてシステムを作っていくSE(システムエンジニア)のような作業です。
これを見たときに「プログラム教育にピッタリじゃね?」と思いつきました。玉石混交のように見えてもときどき役に立つ動画もあるんですよというお話でした。
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