五月病とは
新年度を迎えて卒業、入学・進級、就職、転勤と日本では4月始まりの習慣が数多くあります。クリスマスから年末年始へ、お正月休みが終わって
※抑うつ状態や、「うつ病」、「適応障害」の症状は、主に下記のような症状があります。
- 【身体症状】・眠れない(不眠)・食欲不振、または過度に食べてしまう(食欲不振・過多)
- 【心の症状】・やる気がでない、今までできていたことができなくなった、大好きだったことに興味がなくなった(意欲低下・注意力の低下)・常に不安な気持ちがある(気分の落ち込み・不安)
上記の症状はあくまでも主なものであり、人によって症状は様々です。やる気が出ないことで仕事を遅刻を繰り返すようになったり、休みがちになったり、プライベートでは人と会うことが億劫になることもあります。
どうして五月病になるのか?
大きな環境の変化を経験して、その環境の変化についていこうとするあまり主に精神的に過剰なストレスとなって精神や体調に変化をきたすことがあります。特に多くの環境で新年度が始まった4月は人事や組織の変化、就職・転勤、入学・進学などでいち早く新しい人間関係を築かなければならない時期です。
そんな急変期を乗り切って大型連休のGWに入ると、4月の気疲れもあって今まで張り詰めていた精神の緊張が一気の解けて夜更かし・朝寝坊・深酒など生活習慣の乱れが起きやすい時期なのです。
そんな時に睡眠障害や食欲不振などで病院に行くと「適応障害」と診断されることもあります。学校や職場などの環境変化だけでなく特にここ数年では新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言などが出され、外出制限やイベント・飲み会などが制限されたことでも大きなストレスを受けた方もいらっしゃるでしょう。
学校では授業がオンラインになったり体育祭や文化祭、修学旅行などの大きなイベントまで相次いで中止になりました。特にこの春に中学・高校を卒業された生徒や学生さんは入学した時から新型コロナの影響でマスク着用を強いられたために、クラスの友達の顔すらよく知らないなどということもあるようです。
GWはそんなストレスから一時的に解放されてホッと一息つけるタイミングではありますが、連休明けには逆に気分の落ち込みなどの症状が出る「五月病」になってしまうことがあるのです。五月病は「うつ病」まではいかないレベルですが適応障害の一種というわけです。これは立派な精神疾患ですね。今回はその「五月病」の原因や症状、対処法などをご紹介していきます。
その大きな要因と考えられるのは新生活に早く馴染もうというストレスです。今まで経験したことのない若い世代にとって新生活という新しい環境は少なからずストレスになります。その環境に一刻も早く馴染まなければ仲間はずれにされたり職場での昇進・昇給に関わるかもしれません。
早く環境に順応しようという頑張りもありますが、希望していなかったよ想定外の異動や逆に希望が叶ったという喜びが周囲からの期待となって体や心のストレスになることもあります。ストレスというとマイナスのイメージばかりが思い浮かびますが、前向きな環境の変化も緊張という意味では負担になるのです。
一般に真面目な性格で一刻も早く周囲の環境に馴染もうと努力する人ががかかりやすいと言われたりしますが、前述したようにポジティブな変化もストレスとなり、五月病の発症につながってしまうので、一概には言えません。
つまり同じ新生活という環境変化であっても、それぞれの人の物事の捉え方が楽観的や悲観的といった性質に加え、経験や価値観による個人差によっても変わります。ではそんな五月病にはどう向き合っていけば良いのでしょうか?
五月病の対処法は?
ボク自身は五月病になった経験がない(もしかしたらなっていたのかも知れませんが自覚がありません)ので、自分の経験も振り返りながら対処法について考えていこうと思います。まず最初に大切なのは自分自身をきちんと認識することです。つまり、
⒈自分がストレス状態にあることを認識する
今、自分は普通の状態だと思っていたら症状への対処など考えもしないでしょう。ただそれでも体に少しでも何らかの違和感を感じるなら症状を悪化させてしまうことは避けなければなりません。まず、人や動物は新しい環境に置かれると誰にでも必ず多少なりともストレスになることを理解して、自分のストレス状態を認識することです。
「今はとにかく頑張るときだから」と無理をする状態では自分が疲れているかどうかに気づきにくくなります。かつて昭和の時代のモーレツサラリーマンは、24時間戦えますか〜♪と栄養ドリンクのCMソングを口ずさみながら決して「疲れた」とは言いませんでした。いや言えない時代だったのです。それが昭和という時代でした。
でも今は時代が変わって令和の世の中です。ふと一息ついて「ちょっと疲れているかもしれない」と自認することができれば、自ら頑張り過ぎない、または休むという選択ができるようになります。
2.悩みを親しい人に打ち明けたりSNSやBLOGで発散する
自分がストレスを感じていることを認識したら、思いつく限りそのストレスの原因を家族や親友、恋人などに打ち明けてみてください。親しい人に悩みを聞いてもらうことで自分の中だけで閉じこもっていたその悩みを客観視することができ、解決への糸口が見つかる可能性があります。
少なくとも誰かに話したりSNSなどで発散することで解決方法がなさそうな問題の場合も気持ちを楽にすることができます。仮に打ち明けた相手が無反応でもSNSへのコメントや「いいね」がなかったとしても気にすることはありません。自分の外に向かって吐き出すことである程度、気持ちの整理がつくこともあります。
もし話せる相手がいないという時は、その悩みの内容をBLOGなり日記に書いてみてください。人に打ち明けるのと同じように事実を客観視することができ、新しい視点が発見できるかも知れません。まずは感じていることを一度吐き出してみることが重要なのです。
3.何か無心になれるものに集中する
いつまでもクヨクヨと悩んでいないで、悩みを忘れて考えないようにすることも大切です。アメリカの俳優で作家のウィル・ロジャースはこう言っています。
心配とはロッキングチェアのようなものだ。
ウィル・ロジャース
私たちを忙しなく揺すって動かすのだが
決してどこかへ運んでくれるわけじゃない
と。つまりいくら悩んだり心配し続けても決してその問題が解決するわけではなく、その場をウロウロと歩き回るどころかグルグルと回り続けているに過ぎないのです。
だからそんな時は新たに別のことに打ち込むこともで悩みや心配を一旦忘れて、改めて問題の外側から俯瞰してみる機会を作ってみることが大切です。
そんな時ボクは日帰りや1泊の小旅行に出かけたり、日常を忘れて趣味のダイビングに出かけたりします。海に潜って無重力の中でたくさんの生き物たちに囲まれて青一色の世界に浸っているうちに凝り固まった心が少しずつ解けていくのを感じることもあります。
そんな自分が好きで集中できることはどうしたら見つかるのでしょうか?
あなたは子供の頃から今まで色々な経験をしてきたはずです。小学生の時にはプロ野球カードを集めたり学生の頃にバンドにのめり込んだり。「今さらそんなことできないよ」などと言わずに昔やったことをヒントにして似たようなことを初めてみてはどうでしょう?
運動が好きだったなら町内でスローなジョギングやウォーキングをしてみたり、音楽が好きだったならあの頃よく聞いていた曲をネットで探してみるのはどうでしょう?
もし今でも楽器を持っているなら一人でも簡単な演奏はできるでしょう。いやできなくなっているならあの頃に戻ってちょっとの間、一心不乱に練習してみるのも集中するにはもってこいです。
初めてのことを無理してやるのではなく今までに経験してきたことを思い出すだけでも懐かしく甘酸っぱい思い出が蘇ってくるでしょう。
何かに心が縛られていると感じる時は「また上司に怒られたら」「この仕事がうまくできなかったら」などと先のことを想像して不安になることがよくあります。
そんな時はその不安を解消するためには、ストレスになっている予定(会社や学校に行くなど)の後に自分が楽で楽しいと思える趣味の時間を持つようにしてみてください。「この仕事が終われば、楽しいことが待っている」と不安を軽くすることができます。
4.生活のリズムを整える
人はストレス状態にあると体の自律神経のバランスが崩れてしまっています。自律神経には、緊張時や活動的になったときに活発になる交感神経と、休息時に活発になる副交感神経があり、交感神経と副交感神経が交互にバランスよく働くことで心身の健康を保っています。
自律神経のバランスを整えるためには、生活リズムを整えることが大切です。まず夜更かし朝寝坊をせず、睡眠時間は7〜8時間確保してください。夜、ぐっすり寝られないなら朝、1日だけ無理をして朝早く目覚ましで起きてみましょう。1日でも早起きすることで夜は割と早い時間に眠くなります。「まだ午後9時だから」などと考えずに眠くなったら何も考えずに全てを忘れて眠ってしまいましょう。
いくら深夜に悩んだところで何も解決はしないのです。すると翌朝は自然と朝早く目が覚めます。たった1日だけちょっと頑張ることで早寝早起きという健康的なリズムを身につけることができます。逆にゲームなどして眠いのを我慢して夜更かししても良いことは一つもありません。不健康な習慣が身について精神も体も病んでしまいます。
他にも朝昼晩の3食の食事をある程度規則正しくすることも意味があります。健康的な習慣が身につくと自然に胃腸の調子も良くなるので便秘に悩んでいる人にも効果があるかも知れません。
五月病を予防する方法
五月病はなってから治すのではなく最初からかからないようにする予防できます。
まずはGW前に準備しておくこととして
・集中できることを見つける(学校や職場、地域のサークル活動など)
・人付き合いが苦手ならSNSなどで趣向の同じ仲間がいそうなグループに入る
・一人だけで楽しみたいなら自分がちょっとでも興味のあることを詳しく勉強する
(ボクの知り合いの中には近所の河原で有名無名に関わらず
あらゆる野草の観察をして写真を撮ってBLOGにUPしている人もいます)
・GW明けを不安なく迎えるために仲の良い友達や尊敬できる同僚や上司を見つける
そしてGW中には
・生活のリズムや習慣を乱さない(夜更かしや朝寝坊、暴飲暴食など)
・心も体もバランスが大切なので遊びであっても極端な活動をし過ぎない
・できるだけサプリメントに頼らずバランスの良い食事をする
(ラーメンや焼肉、ファストフードばかり食べない)
早い話が
取るに足らないことをクヨクヨと考え始めると、それまではどうでもよかったことまで不安になって心が下向きになってしまいます。結局のところ昔から言われてきたように「早寝早起き、腹八分」が大切なのかも知れません。お後がよろしいようで…。
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