地震が頻発する日本列島 宮古島近海地震と南海トラフ、首都直下地震との関連は?

日々是休日

連続する地震列島・日本

2023年5月5日の早朝に起きた能登地方の深度5強の地震から、能登半島はもちろんのこと5/11の早朝には千葉県の房総半島、同日の夕刻には北海道の日高地方を震源とした震度4の地震、同じく同日の夜には沖縄県の宮古島地方で震度3の地震がありました。

いずれも日本列島の中では地域的に離れている上に、北陸の能登地方や北海道の胆振地方では数年前からいくつかの地震が比較的連続して起きていますから、それらの一連の地震と考えられており、専門家からもそれらの関連性は指摘されていません。

2016年に九州の熊本地方に甚大な被害を与えた熊本地震では、1回目の揺れから数日の間に震度7が2回、6強が2回、震度6弱が3回と短期間の間に震度6以上の揺れが連続して起きました。

それまでは比較的大きな地震が起きた後でも気象庁は「今後の余震”にも”注意が必要」と言う程度の発表だったものが最近では、「今後数日は同程度の地震が発生する恐れが高いので十分に注意」と発表するようになりました。大きな地震をきっかけに警報のあり方や対策が講じられるようになったのは素晴らしいことだと思います。

思えばここ30年余りの間に大都市が大地震の直撃を受けたのは、1995年の阪神・淡路大震災でしょうか。新幹線や在来線、高速道路にも大きな被害が出た上に住宅地では地震による火災も発生して多くの犠牲者を出しました。高速道路の橋脚が折れて道路自体が倒れてしまったり神戸・三宮でコンクリート製のビルが道路側に倒壊している映像がとてもショッキングに報道されていたことを今でも記憶しています。

その教訓から全国では高速道路や新幹線・在来線の橋脚、学校をはじめとした建物の耐震化が行われました。それらの対策が行われていなかったとしたら、2011年に起きた東日本大震災で東北地方や東京都心でももっと酷い被害が出ていたのではないかと思いました。

大陸プレートのせめぎ合う日本列島の地下構造

日本列島の下では大きな4つのプレートがぶつかりっていることは多くの方が知っていると思います。東日本大震災は、東側から日本列島を押している太平洋プレートと東・北日本が乗っている北米プレートの境目にある日本海溝周辺が震源でした。

ざっくりといえば日本海溝で北米プレートの下に太平洋プレートが潜り込んでいて、その境界面の摩擦でプレート内に歪みが溜まっているので、それが一気に解放される時に地震が起きたわけです。

「日本周辺のプレート」から借用

現在の北海道は2000万年くらいまえにユーラシアプレートと北米プレートの境界付近でユーラシアプレートの上に北米プレートが乗り上げて日高山脈ができたといわれています。ですから今でも日高山脈の東側では地盤の隆起が続いています。

アポイ岳ジオパークHPから借用
アポイ岳ジオパークHPから借用

一方で阪神・淡路大震災や熊本地震ではプレートの境界ではなく(もちろん間接的にはプレートの動きが関係しているのですが)比較的に地表近くの断層がずれ動いたことによる地震でした。

専門家はこれらを比べて「断層型だ」「プレート境界型だ」「だから関係ない」とコメントを出していますが、大局的にみれば地面や地殻は何らかの形で連続しているわけで、コンニャクを2つ並べて片方を押せば境界がくっついていれば別のもう一方にも力が加わりますから「全く関係がない」とは言えないわけです。

今回の一連の地震はなぜ起きている?

特に前述の図でも示したように、能登半島の先端近くには北米プレートとユーラシアプレートの境界があって、「糸魚川・静岡構造線」の延長線上にあたります。

プレートの境界線のすぐ近くで東日本大震災のような”プレートの潜り込み”による地震が発生することは考えにくいのですが、プレートの境界で「ズレの力」が発生することはほぼ間違いないですから、阪神・淡路大震災や熊本地震のような断層型の地震が起きても不思議ではありません。

一方で今回の沖縄・宮古島周辺はどうでしょう?
沖縄諸島を含む南西諸島の東側にはプレートやその動き、力の働き方は違うものの、三陸沖の日本海溝と同じような仕組みでユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが潜り込んでいます。

今回の地震に関しては震源がごく浅い海底ということですから、ユーラシアプレートの内部で起きている可能性は大きいでしょう。

ただ南西諸島付近は別として、震源がかなり離れていますからこの地震が直接南海トラフに大きな影響を及ぼすとは考えにくいです。しかし広く見れば同じプレートで繋がっているわけですから、「全然関係ない」とは言い切れません。確率が低いというだけです。

神戸大学HPより借用
琉球大学地震学研究室HPより借用

各地の地震はまったく関係なく起きているわけではない

いずれにしても日本の地下ではプレートや断層が複雑に絡み合っているわけですから、日本列島に住んでいる以上、北海道から沖縄までどこにいても地震の呪縛から逃れることはできません。

大きな地震が起きるたびに繰り返し言われることですが、大袈裟なことではなくても普段から地震への備えを忘れず、「今この瞬間に大地震がきたら?」という思いを頭の片隅に置いて、

 家具などが倒れてきたらどうする?
 火事を出さないようにするにはどうしたらいい?

を忘れずに日々を過ごしたいものです。

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